先日、埼玉県春日部市にある首都圏外郭放水路の見学ツアーに参加しました。
この施設は、長年、洪水被害に悩まされていた中川・綾瀬川流域の被害を軽減するために建設された世界最大級の地下放水路です。中川や大落古利根川など、5つの中小河川が増水した際に水を取り込み、江戸川へ排水することで、地域の洪水被害を軽減しています。年に平均7回程度、施設に水を取り込み、平成27年の台風17、18号の際には、約1900万㎡の排水を行ったそうです。
ツアーでは、調圧水槽と呼ばれる巨大な地下空間を見学しました。この水槽は、流れ込んできた水の勢いを弱め、江戸川へスムーズに流すための重要な役割を担っています。長さ177m、幅78m、高さ18mという圧倒的なスケールの空間には、地下水の浮力を抑えるために約60本の巨大な柱が整然と並んでおり、とても迫力がありました。この様子は、パルテノン神殿を連想させることから、「防災地下神殿」とも呼ばれ、ウルトラマンなどの特撮作品の撮影にも使用されていたそうです。
子どもから大人まで幅広い年代の方が参加されており、誰もが楽しみながら防災について学べる場所になっていました。また、調圧水槽内は、常時15度前後と涼しく、夏の暑さを忘れさせてくれる快適な空間でした。 是非、この夏に参加してみてください。
(文:篠塚侑希)